メカニカルストレッチのセットアップに、今シーズン待望の新柄が登場。昨シーズンまでの無地とは一味違うこちらのセットアップは、オールネイビーでのコーディネートがお勧めです。インナーのTシャツは身頃がシアサッカーになっているので、オールネイビーの中にその素材感が際立ち、ちょっと上級者のコーディネートが気軽に楽しめるスタイリングです。
夏のビジネススタイルに欠かす事の出来ない定番アイテムなってきた、メカニカルストレッチのセットアップにこちらも昨シーズン好評だったリンクスの新色Tシャツを合わせた、王道のコーディネート。Tシャツは色違いで欲しくなること間違いなしです。
夏のビジネスにスタイルはこのくらいがちょうどいい。合繊素材のメカニカルブレザーにリネンストレッチ素材のイージーパンツ。それぞれ風合いの異なる素材ですが、着心地の良いそれぞれのアイテムを合わせて軽快な夏のブレザースタイルになります。
着ていることを忘れるほどの軽いブルゾンは、シワにもなりにくい優れもの。旅行のお供にも最適です。落ち着いた印象のベージュには少し派手なくらいのインナーがよく合います。デニムスラックスでラフ過ぎない、大人のカジュアルなスタイリングになります。
ブルゾンとジャケット、それぞれの良いところを併せ持つこのアイテムは、コーディネートによって全体の表情が変わります。ニット合わせで柔らかなカジュアルな印象に。ハイパワーストレッチのパンツでスッキリと、そして快適なスタイリングになります。
「織る」ところ ~石川~
石川県の位置する北陸地域は年間を通じて湿潤な気候で水資源も豊富なため繊維産業に適しており、古くから絹織物業が盛んに行われていました。明治時代には全国でも有数の繊維産地として発展。現在においてもナイロンやポリエステルなどの化学合成繊維を中心に日本における一大繊維産地として発展している地域です。
J.PRESSのメカニカルナイロンハイパワーストレッチはこの石川県にある織布メーカーで織り上げています。昔小学校の校舎であった建物を改装し工場として使用しているという面白い歴史をもった工場ですが、工場内は非常に綺麗に保たれ、糸くず等のごみや埃もまったく見当たりません。生地に不要なごみなどが飛び込む可能性もあり、こうした工場内を綺麗に保つところにも、もの作りへのこだわりと高いプロ意識を感じます。またメカニカルに使用する糸は細く、伸縮性が高い特殊なものを使用しているため織る工程中も糸切れ等に細心の注意を払う必要があり、織る難易度も高い生地となります。しかしそうした難易度を克服してでも新しいものへのチャレンジに果敢に挑む日本の職人のプライドを垣間見ました。
メカニカルナイロンハイパワーストレッチを織り上げる革新織機。 数多くの織機が工場内にあるが、どれも丁寧に整備され小気味よい音を立てながら、 生地を織り上げていきます。
「染める」ところ ~京都~
西陣織などに代表される伝統産業が発展し、それを支える技術の伝統も受け継がれてきた街、京都。当然ながら染色や加工についても高い技術力が継承されてきた街であり、いまでも日本におけるプリント服地の重要な産地となっております。
石川で丁寧織り上げられたメカニカルの生地は京都に移動し、ここでプリントされ、最終の整理後加工まで行います。まずはプリント工場へ。
メカニカルの生地へプリントを施すインクジェットプリンター。イタリアの繊維機械メーカーと日本のセイコーエプソンとの協業によって誕生した「MONNA LISA」。高精細な色柄表現が可能でメカニカルの革新的な機能性にハイセンスな感性を新しい価値として与えてくれます。インクジェットプリンターにおいてもっとも重要なパーツがプリントヘッド。
この高解像度プリントヘッドの技術においても日本の技術は世界をリードしているという。
このプリント工場はもともとスクリーン捺染を主軸にされていたとのことでしたが、今ではインクジェットプリンター一本に絞って操業されているとのこと。というのも30年前はこの工場周辺だけでも多くのプリント工場があったそうですが、低価格な海外勢との戦いも激しく、現在ではそのほとんどがやめてしまったとのこと。だからこそインクジェットプリンターに絞り、ここでしかできない高付加価値で差別化された技術と感性を提供したいと工場の社長が熱く語ってくれました。(写真左)
前処理を終え、プリント待ちのメカニカルの生地はローラーによって引っ張られながらインクジェットプリンターへと向かいます。(写真右)
家庭用プリンターでも見かけるようなインクカートリッジ。これらのインクを使用し、従来では表現しきれなかった高精細な色柄を生地に表現していきます。(写真左)
一見するとプリントとは分からないほど精緻な色柄が表現されています。(写真右)
「加工する」ところ ~京都~
プリントを終えると最終仕上げまで含めた加工工程へと進みます。こちらも京都の工場で行います。この工程ではプリントの前処理で使用するのりや余分な染料を洗い落とすだけでなく、織り上げ、プリントされた生地にハイパワーストレッチなど革新的な機能性を付与する加工を施します。
この工程を経ていよいよメカニカルの生地は完成します。
大量の水と水蒸気と熱に包まれた工場内。その熱気に負けないほどのもの作りへの熱い思いに溢れた人々が一反、一反丁寧に生地を加工し仕上げていきます。
生地の旅は以上になりますが、最後に縫製面でのこだわりもご紹介したいと思います。 メカニカルナイロンハイパワーストレッチのセットアップは縫製についてもJ.PRESSのスーツやブレザーを縫製する自社のテーラード工場で縫製しています。軽やかにリラックスして着ていただきたいセットアップスーツですが、テーラード工場として培われた技術を詰め込んだ服はスーツを縫っていないアウター工場で作ったものとは一線を画す仕立て映えを実現し、上品な雰囲気も一緒に纏うことができます。
無駄のない研ぎ澄まされた裏仕様。大身返しは芯地の代わりとなり保型性を高めると共にすっきりとまとまった上品な印象を演出します。
また芯地の選定についてもメカニカルの生地のハイパワーストレッチや薄さの特性に対し、適正にフィットする芯地を選定するため何度もトライアンドエラーを繰り返しながら時間をかけて完成度を高めた一着です。
腰ポケットの裏の処理も極力ステッチが出てこないよう工夫された仕様となっています。 裏側の見えないところにも手を抜かない。見えないところにこだわり抜かれた服こそ着る人を気品高く演出する。そうJ.PRESSは信じています。
肩裏は生地が重なる部分。表側に当たる部分にメッシュを使用しなるべく薄く洗濯の際の水抜けもよくする工夫を採り入れています。